家の設計はどのような流れで進んでいくのか?
下に「参考」(工程表)を載せました。
この工程表は、スタジオ・ピコ一級建築士事務所が使用しているお客様への説明用の
木造の住宅の参考工程表です。
「参考」(工程表)は、元がA3で書いています。引き延ばされていますので、見づらくてすみませんが、
この工程表はお客様に業務内容を説明する場合に使用しているものです。
建築方式は*分離発注方式という方式を採用した場合の工程表です。
分離発注のため見積+業者調整・契約+工事期間が多少長めです。
*分離発注とは(お客様とそれぞれの専門工事業者が請負契約を結び当事務所現場監理と現場マネージメントを行う工事方式)
工程表一番上には月日が記載してあります。
白抜の右方向を指す矢印が上から五つ(5段)並んでいます。
この五つの矢印がスタジオ・ピコ一級建築士事務所の設計の開始からお引き渡しまでの業務内容を表しています。
それぞれ五つの業務内容と注意点などが下の四角い枠内に記載しています。
「参考」(工程表)
1、住宅設計の最初の仕事は「基本設計」です。
基本設計ではお客さんの家族構成であったり、どんなことに興味があり、
どんな生活をするのかを教えてもらうところから始まります。
できた家は正直です。
この段階で普段とは違う理想の生活を器(住宅)に求めて、
器がそろえばそれに合わせた生活が自然と身につく、なんてことはないことに注意したいですね。
くつろげるはずの自分オリジナルの家が、使いずらい家となってしまわないように、
建築士とはとことん話し合いましょう。
「基本設計」で*建物配置、間取り(平面構成)、断面・立面などの高さ方向、法規規制の検討、
構造方法(RC造、鉄骨造、木造など)、ある程度の建物性能、住宅設備の概要を検討し決定していきます。
*建物配置とは、(敷地のどの位置に建物の1階ができるのか、駐車スペースや駐輪、フェンスや門扉、物置や植栽などの位置が記載された図面)配置図に記載したものもこの段階で考慮すべきです。
2、次の仕事は「実施設計」です。
基本設計で決定した間取り(平面)や断面・立面を現場で使える細かな収まり(ディテール)を
図面化することです。
使用する材料の決定、性能の確認や検討、それらを建築予算も考慮しながら
妥当で具体的な選択を行い内容を検討し図面に表現する作業を行います。
実施設計図(一般的に設計図といわれるものは実施設計図を指します)には実際に現場で使う
という目的以外、重要な目的があります。
それは、各業種の業者が実施設計図を基に数量を拾い出し積算をして、見積書を作成するという目的です。
実施設計図できっちりと、工法、材料が決まっていて、つじつまが合う寸法も記載されている図面か、
そうでない図面かで、見積内容の比較検討に影響が出ますので出来上がった図面は必ず確認しましょう。
3、設計が終われば次は「見積もり期間」です。
設計自体は一応実施設計の段階で終わりとなります。
家の施工を工務店での「一括請負」(工務店が工事全体を請負、それぞれの各業種の下請け業者に
仕事を請け負させる方式、工務店は工事全体をマネージメントする)とする場合は、
一般的には、何社かある候補から1~3社ほどを選び、そこに相見積もりを依頼することになります。
工務店での「一括請負」の場合、見積もり期間は3週間程度としています。
家の施工を専門工事店での「分離発注」(各工事をそれぞれの専門工事店(大工さんや基礎屋さん電気屋さん、な
ど)に見積もりをお願いする場合は、何社かある候補から1業種1~3社見積もりを依頼します。
住宅の場合業種が約10~15業種ありますので全部で12社~30社ほど見積もりを依頼します。
(見積もり依頼する専門工事業者の数は物件により違いがあります)
専門工事店での「分離発注」の場合、見積もり期間は1か月程度としています。
4、見積もりが終われば次は「見積もり調整と業者との請負契約期間」です。
業者から提出された見積書や場合によっては現在進行中の現場も見学させていただいたりして、
お客様と最終的にどの業者に工事をお願いするか話し合いをし、業者を決定した後は、
実際に仕事を請け負う業者とお客様の間で請負契約を交わします。
工務店での「一括請負」の場合の契約書については、
基本的に工務店が普段使用している請負契約書を使って契約をしますが、
契約前に当事務所で工務店が使用している請負契約書の内容は
スタジオ・ピコ一級建築士事務所でチェックします。
その契約書内容はお客様に報告します。
たまに、お客様から契約書について「〇〇の契約書を使用したいと思っている」という相談を受けますが、
その場合、工務店が見積もり参加をする段階で「〇〇の契約書を使用して契約を行いますが、了承して
見積もり参加しますか?」と確認するようにしています。
専門工事店での「分離発注」の場合の契約書については、
すべてスタジオ・ピコ一級建築士事務所が用意します。
ほとんどの住宅工事の契約は、
ハウスメーカーであれ工務店であれ一括請負方式によります。
「分離発注」による工事は普通の請負契約から見れば特殊なので、
スタジオ・ピコ一級建築士事務所では専門工事業者での分離発注による請負契約に特化した
契約書を使用しています。
契約上、分離発注と通常の請負契約で一番大きな違いは、
手付金が発生するということです。
手付金とは別の言い方をすれば過払い金という見方もあります。 (ハウスメーカーや工務店と契約される場合、手付金以外でも請負金額の分割 支払の方法によっては過払い金が発生する場合もあります)
一括請負=手付金有
スタジオ・ピコ一級建築士事務所が行う分離発注による請負方式では、
その月に工事をした分だけ翌月末に支払う、
出来高払いですので過払い金が発生しません。
分離発注の請負=出来高
5、無事契約が済めば、次はいよいよ「工事期間」です。
工事の期間とは、地鎮祭が終わり地盤改良、(場合によっては、*先行外交工事
を先に行う場合もあります)、基礎工事、土台敷、上棟、大工工事、内装工事、
外構工事の順に進んでいきます。その間、水道工事店さんや電気工事店さんなどは
最初から完成まで、工程の進み具合を見ながら随時現場作業があります。
分離発注による工事場合は現場監督に代わり現場のマネージメント(管理)も行うことになります。