鎌倉小町の家 8

8月18日。

昨日の上棟では屋根の野地板(構造用合板)の
施工までは出来ていなかったので、
今日の現場監理は主に
垂木のあおり止め防止(タルキック)と、
屋根野地板の施工状況の確認をしに来た。

まずは昨日の上棟時に確認できていない
金物の確認。

写真は短冊金物の認定品。
(短冊金物とは横架材(梁)
相互を同一線上でつなげた部分の補強を行う金物)

鎌倉小町の住宅は在来工法の3階建てで、
フラット35Sの金利Aの耐震等級3としているが

性能表示の耐震等級2以上の場合
2階建てでも外周部の横架材の補強金物の指定がある。

写真は屋根のあおり止めの補強金物、タルキック。
少し前まで「ひねり金物」や「くら金物」を使っていたが、
最近はこの「タルキック」を使用する現場が増えている。
Studio Picoでもあおり止め金物は
「くら金物」か「タルキック」を使用すること。と
指定している。

ただし「ひねり金物」や「くら金物」の場合、
耐力壁や補強金物を確認するタイミングと
同じ時期に施工状況を確認することが
出来たが、「タルキック」の場合、
野地板の施工前に確認しなければならない。

土台敷の時に確認はしているが、
一応、2階と3階の床のXY方向の水平を測る。
当然だが問題はない(逆にこの段階に来て水平に問題が
あっては今まで何を見ていたのか、となる)

事前に大工さんには、タルキックの施工状況を確認するため、
今日私が来るまで野地板を施工せずに残すように
指示しておいた。
写真はタルキックの施工状況の写真。

細めの木(タルキという)の上に釘とは
違うシルバー色の金属が施工されているのがわかると思う。

タルキックの確認が終わったので、
現場は早速野地板の施工にかかる。

構造計算をしている建物や
耐震等級2以上としている建物は
屋根の野地板も水平構面として
構造躯体として検査に含まれている。
(計算をしていない住宅でも
構造躯体に変わりはないのですが)

鎌倉小町の住宅の3階の屋根は
道路に近い方と道路から遠い方で屋根のかけ方を
変えている。

道路から遠い方の屋根は
タルキ間隔が455mm。

道路から近い方の屋根は
タルキ間隔が227.5mm。

上と下の写真を見比べると
釘の打たれている線の間隔が違っているのがわかる。

両方の屋根の釘の種類と間隔を測る。

Studio Picoは野地板の施工確認を行っているが、
性能表示の建設評価や確認の中間検査はもちろん、
民間の住宅検査会社なんかも通常この段階の検査を
行っていないと思う。

野地板の施工が終わったところからすぐに、
屋根勾配の下の方から改質アスファルトルーフィングを
施工している。