ホームインスペクションには大まかに2種類ある。
ひとつは新築の工事中に確認する検査
(以後このブログでは建築中住宅検査と称する)
もう一つは完成済みの検査
(以後このブログでは新築または中古、住宅診断と称する)
私は2004年より建築士として各種の検査を行ってきた。
改めて数えてみると、今までに概ね2百数十件の
建築中住宅検査と新築または中古の住宅診断を行ってきた。
新築中住宅検査は一物件につき在来工法で5回から6回、
枠組壁工法では7回から8回伺っている、それとは別に1回だけの検査や、
住宅の不具合に遭われた方の検査を合わせると、
500回から1000回の間くらいの回数は現場で実際に検査を行ってきている。
今までブログなどで内容を時たまお伝えすることはあったが、
今回過去の検査の内容をまとめてブログに書くことにした。
今回のブログタイトル、実践ホームインスペクション(住宅診断)では、
大まかに分けた二つのホームインスペクションの内、
完成済みの検査:新築または中古の住宅診断についてお伝えしていこうと思う。
検査では複数の住宅で同じような指摘を行うことが多々ある。
そのため、同じ指摘内容が違う回で繰り返し出てくることをご容赦願いたい。
最初は2004年5月のに伺った中古の住宅診断について記載する。
所在地は神奈川県相模原市。
木造2階建、築年月日は不明。
床下の断熱材の施工状況だが、
当時は外壁に使用する断熱材を床下にも施工していたようだが、
今ではこのような断熱材を床下に施工している新築工事の例は見ない、
外壁用で密度も低いため床下の断熱材が垂れ下がってきている。
一か所だけでなく多くの個所で断熱材が垂れ下がり、
床との間に隙間ができている状況、
もともと外壁用の断熱材で密度が低いところにきて、
床と断熱材との間に隙間があっては、
ほとんど断熱効果がない。
束石と束(床を支える柱上の木材)がずれている。
束と束石だが、最近の新築住宅ではほとんど見ない、
最近の住宅ではプラスチック製もしくは鋼製の束が使われている。
束石と束の用途としては床を支えるだけだけであり、それ以外
構造上非常に重要というものではないけれど、
ずれていれば、床に不陸(建築用語です、水平でないこと)が生じたりする。
写真は外部の基礎の床下換気口に、
換気扇を取り付るため業者が換気口周りの基礎を欠いて
換気扇を取り付けていた。
換気口周りは基礎の開口部であり補強筋が施工されている、
簡単に基礎を欠いた場合カブリ寸法が確保できず、
建物の耐久性に影響がある。
以上、2004年に検査した
相模原市の中古の住宅診断結果の一部です。