実践ホームインスペクション(住宅診断)2

新築または中古の住宅診断は、
現場での目視確認で検査を行っている。

ファイバースコープや機器を使用した非破壊検査で行えるのは、
ある一定の時間内(一般的には2時間程度)で検査を行うこともあり、
確認できるのは既存建物のごく一部分に限られるうえ、
費用負担も大きくなりますので目視での確認としている。

この住宅は2004年11月に三鷹市で検査した、
築12年の住宅の中古の住宅診断の記録。

1、この住宅は1992年(平成4年)の新築だが
この当時の住宅金融公庫の仕様書を見ると、
1階の床にも断熱材を施工するように書かれえいる、
一般的にはこの当時も1階床には断熱材が施工されていたが、
この住宅には1階の洋間の床には断熱材が施工されていなかった。

2、1階の床下の大引が一部なかった。

3、写真は無いが、2階床の床鳴り、リビング親子ドアの施錠不可と子扉の開閉不可、
2階の3部屋の扉と枠の隙間や沓摺と枠とが擦れる。

4、外壁北側に目視で10か所のクラックあり。

検査を行っていて特に気になったのは3の複数の建具の開閉に支障が有る場合
(複数の建具の開閉が支障が有る場合)、
建物に何らかの不具合があるかもしれないと予測することが大事だ

4の外壁のクラックも気になる。

そこで1階、2階共床のレベル測定(相対的な高さ測定)を行うことにした。

そうしたら、
建物の北東角に向かって、1階で25mm、
2階で28mm、傾いていることがわかった。

実はこの建物の東側隣地が1.5m下がっていて、その隣地との間は、
高さ1.5m程度の擁壁が有る。

その擁壁はこの建物を分譲した時に建設されたものだとのこと、
基礎にはクラックとなど見当たらないが、
測定するとかすかな傾きではあるが、
この建物は北東側が不同沈下を起こしていたと思われる。