国土交通省が、建設資材が高騰しても、
建設業での価格転嫁が進んでいないことを問題にしている。
・・・公共工事では、物価や賃金の水準に変動があれば、
発注者、受注者が相互に請負代金の変更できる規定があり、「スライド条項」と呼ばれている。
しかし、民間の工事では同様のルールが契約に盛り込まれない事例が多い。・・・
(以上、記事より)
記事では、
・・・建設大手(たぶんゼネコンのことだと思う)を対象に
行った調査では、「受け入れてもらえなかった」と答えた割合は25%
「民間では転嫁が認められなかった」など、
申し出に対し公共工事と民間で対応に「違いがあった」との回答は77%に上った。
・・・
建設大手は、客層が個人というよりも
デベロッパー、不動産会社、一般の企業の割合が多いため、
資材高騰の事情がある程度は理解があるクライアントといってもいい。
それにひきかえ、
大手のハウスメーカーの客層は、一個人が多く、変動への理解も難しい。
そして、
バブル崩壊以来、業者同士の価格競争の激化もある。
そんな状態で、一番割を食うのは、下請け業者だ。
少し前(昨年の今頃)の話になるが、
ある大手ハウスメーカーの下請け基礎業者が言っていた。
「ここのところの鉄筋の値上げ、コンクリートの値上げ、砕石の値上げ、
型枠の値上げで儲けはほとんど無いよ」
値上げからかなり時間がたっても、
元請けのメーカーは下請が負担する資材などの価格を抑えたままだと言って、
半ばあきらめ顔で言っていた。
記事によると・・・国交省は今後、法改正も視野に制度の見直しを検討する。
ということだが、どのような制度で、
どこまで効果が発揮できるかは不明だ。
その点、分離発注は専門工事業者=元請けなので、
元請けからの価格価格締め付けの問題は、ほぼ存在しないと言える。