8月17日。
埋蔵文化財の確認調査と本調査があり
設計・監理契約から11ヶ月後のこの日。
鎌倉小町の住宅はようやく上棟となった。
上棟の時点では現場監理者として、
確認しておかなければならない施工箇所はそれほど多はくない。
強いて言えば、上棟時に(その日のうちに)
屋根の垂木と野地板まで施工してしまう現場では、
「タルキック」の施工状況と、野地板の釘の種類と釘打ち間隔、
それとルーフィングが指定の材料かの確認と施工状況くらいだろう。
とはいえ、上棟の作業が終わったら上棟式がある。
ただ見ているだけじゃ暇なので、
職人さんも私も、
基礎の施工段階であれだけ精度を気にして念入りに確認した、
1階の柱脚(柱の下側)の土台プレートと
ホールダウンアンカーの関係それと納入されている金物をなどを
確認しておくことにする。
Studio Picoでは、
木造の屋根下地のルーフィングは
アスファルトにポリマーなどを添加して、
耐久性をUPさせ、シール性(穴をふさぐ)も有るため
改質アスファルトルーフィングを指定している。
構造に用いる釘の確認。
N釘(在来で使用する)またはCN釘(通常は枠組み壁工法で使用しているが在来でも使用可能、N釘に比べて少し太い)を使う。
この現場ではすべてCN釘を使用する。
N釘はメーカーにより釘の色が違う、
しかしCN釘は色により釘の長さにが決まっている。
例えばCN90は面材(合板などの面上の材料)耐力壁の受け材に使用する。
CN75は床合板の釘打ちに使用する。
(この時点では2、3階床用に上階に上がっていたようで写真には写っていない)
CN50は面材耐力壁の釘打ちに使用する。
1階柱脚(柱の下)部分の土台プレートと
ホールダウンアンカーボルトの位置関係を確認。
3階建ての場合、柱の軸力が大きくなるので、
柱が土台めり込むのをするために
土台プレートを設置している。
そのためホールダウンアンカーボルトが
柱から離れ、柱とは特殊な金物を用いて
緊結するが、柱とホールダウンアンカーボルトとは
離れすぎても規定の強度が発揮できない。
そのため基礎のコンクリートを打設する前に、
施工する職人さんも念入りに確認して、
私も位置をチェックしている。
その甲斐あって理想的な位置関係で
施工されている。
上棟時の作業中の動画。
3階の横架材(梁)を取り付け中。
作業も終わり、これから上棟式。
祭壇を作り、幣串(へいぐし)を飾る。
建物の四隅に米、塩、酒を供え。
工事の安全と建物の完成を祈念して、
皆で乾杯をして上棟式は終わる。