少し前まで、
リビング・ダイニングという部屋は、
家族そろって食事したり
談笑したり、テレビを見る空間だった。
ちゃぶ台がダイニングテーブルに代わり、
家族の談笑が一家そろってみるテレビに代わり、
でも今は、親は長時間労働で子供も習い事や塾で忙しく
家族そろっての食事をして、
その場で一日の話題で談笑する、
家族そろって一つのテレビを見るなんていう
家族はどれほどいるのか?
今は、
スマホであったりタブレットを
それぞれが別々に操作して、
普段は家族以外の誰かと別々に繋がっていて
家族間の会話は何もないなんていう家族もいるのかもしれない。
テレビにしても、見たい番組はそれぞれネット配信で
別々に見ていて、リビングにあるテレビは
休みの日にお父さんだけが見る
なんていう家族もいるのかもしれない。
それぞれの家族に合わせたリビングを考えてもよいのでは。
そんな家族に、今までどおりのリビング・ダイニングでよいのか?
今の時代の家族が集って団らんできる空間としての
リビング・ダイニングをその家族に合わせた空間にすることも
考えてみたい。
しかし、家族像が多様化した現在、
設計者が一方的に家族が集って団らんできる
リビング・ダイニングを提供するのではなく、
家を造る家族との共同作業で設計を行うことが欠かせない。