新築の場合、たとえばハウスメーカーに頼む場合。
間取りやそのメーカーの商品ラインアップから
好みや予算に合わせたシリーズを選び、
オプションになっている工事内容や
性能、金額についても検討する。
新築の場合は各メーカーとも、
現状一般的なまたはそれを超える住宅の
性能を備えた商品ラインアップを用意していますので、
新築の住宅の間で相対的に見て極端に
性能が違うというものはなくなってきました。
要望したいことが伝わらない!
リフォームはどうなっているかといえば、
先日、工事途中に建て主のから方依頼されて
ハウスメーカーがリフォーム工事を行っている
現場にお邪魔しました。
そのハウスメーカーがリフォーム用に
用意された断熱改修の仕様が現状
新築工事で用いられる断熱の仕様からは
明らかに性能の低いものでした。
そのメーカーでは工事範囲外は
よほどのことがない限り工事の手を
つけないというルールがあるようで、
お客様がたとえ、
「暖かい家にリフォームしたい」
というような要望があったとしても、
特に指定がない限り自社の商品ラインアップにある
断熱材のみ提案して、
以前は断熱材が施工されていない建物でも、
リフォームしない部分は断熱材を施工しないことになっています。
なぜそうなるかといえば、
ハウスメーカーは自社のルールや枠組みから外れた
方法がとりにくいことが原因の一つといえます。
また、お客さんのためと思いよりよいものを提案したり、
断熱する工事範囲を広げることにより
金額がUPして同業他社に仕事をとられてしまう
可能性があるので、提案しないし、
性能は上がるが値段も上がる、なので提案できない。
ということもあるでしょう。
それ以外にも、
最初に書きましたが、
新築の場合各メーカーが出している
商品のラインアップから選んでも
相対的に差があまりないと書きました、
リフォームの場合は現状で工事を行う建物が
あるわけで、その辺が新築とは異なる部分です。
工事の目的をあらかじめ決めておき、具体化(設計)させるのが必要。
現状の建物に合わせて何を使うか、
どの範囲まで工事をするのかの見極めが
大事です。
業者を選ぶ前に、
工事の目的をはっきりさせることが重要です。
そして、
「暖かい家にリフォームしたい」
というあなたの願いは業者には
伝わらない可能性があります。
リフォーム工事に限ったことではないのですが
住宅の工事に際して曖昧な注文は
曖昧な結果を生む可能性があります。
設計とは、
お客様の要望を具体的に図面という形で
業者(職人)に伝える翻訳だと思います。