住宅を建てるのにオープンシステム(分離発注方式)を行えば
価格が見えるようになる、という効果があります。
しかし、それだけではないのです。
2015年に横浜のマンションの杭工事のデーターが改ざんされたニュースがありましたが、記憶にある方も多いと思います。
なぜそのような偽装がまかり通ったのか。
杭データーの偽装が行われたマンションは販売の不動産会社からゼネコンといわれる建設会社に工事を発注しました。 そのゼネコンは杭工事を1次下請けに発注し、その1次下請けがそのまま2次下請けに工事を行わせていました。 ゼネコン業界は1次、2次、3次の下請けと業者が幾重にも連なる重層下請けの構造が元請けの品質管理の妨げになり不祥事を生んでいるという事は以前からわかっていましたが、一度できあがった構造はそう簡単には解消できません。
そのような事はマンションやビルだけではなく住宅でも行われています。 いわゆる丸投げといわれる行為で、元請けの工事の品質確認の目が届きにくくなり、利益の中抜きも行われ丸投げと利益の中抜き両方の負担は最終的には施主に跳ね返っていることになります。
でも適切なオープンシステム(分離発注)を行えば、専門工事会社と施主が直接契約を交わしているので、利益の中抜きという事はありませんし丸投げ行為という事もありません。設計段階で施主と設計者が緊密に連携して設計を行い、工事段階ではその設計図を基に工事の調整と各業種ごとに適切な現場監理を行えば建物の品質も確保できるのです。