2016年に工事中の
構造躯体と雨漏り防止についてチェックする検査
を実施した方から、
仕上げに関して施工したハウスメーカーが
最初の話と違う仕上げ材を使っている。
それと、不具合もあるので見てほしいとの
要望があり確認してきました。
事前にメールに写真数枚が添付されて送られてきましたが、
その中の1枚は、
今回の相談以外にも過去に
「こんな亀裂の入った合板はおかしい」と
いわれて数回相談を受けた
ことがあったのと同じ内容のものでした。
これは見てみないとわからないな。
というのが連絡のメールをいただいたときの
私の印象でした。
伺って聞いた不具合などは以下の内容でした。
・1階と3階で床鳴りがする
・1階の和室の畳が以前の家(2×4工法)では厚みが6センチくらい
だったが、2センチの厚みの畳が使われている
・1階の廊下に下がり壁があるのはおかしい、違うハウスメーカーでは
このような下がり壁はなかった
・階段の床に軋みがある
・2階の床フローリングが営業担当者の説明と違うものが使われている
・和室の畳下の荒床の合板に亀裂が入っている
・扉がメーカーの説明では無垢材と言っていたがプリント材を使っているようだ
・台所の下がり壁や腰壁がゆがんでいる
・ダイニングの取り付け家具と床に隙間がある
・巾木と枠材の割れとささくれがある
・階段に下がり壁があり頭が当たる
・サッシの機密が悪く外の冷気が入ってくる
・国産の畳表を使うと営業から聞いていたが
畳を上げてみるとそこに「中国産」と記載があり
嘘をつかれた
住宅のクレーム原因は様々なことが考えられる
最初は2階のUBの下の下がり天井が
工事中の仕上げの前に左右で高さが違っていて、
ハウスメーカーはすぐにやり直しますと
言ったそうですが、
施行の精度が大丈夫かと不信感を持ってしまったようです。
「1階の廊下の下がり壁があるのはおかしい、
他のメーカーで見せてもらったCGではこのような
下がり壁はなかった」と、言っていました。
ただしそれは、
契約をする前のプレゼン段階のCGで
しかもそのメーカーで建てる場合と
今回のメーカーで建てた場合は
同じプランとはならないはずで、
同じような下がり壁が出るとは限らないし、
契約後の詳細設計を行ったら
その他のメーカーも同様に下がり壁が
できるかもしれないと
説明して説得しました。
階段の頭が当たりそうな下がり壁に関しては
高さがあり、背の高い方は頭を下げて
通らないとぶつかりそうでした。
その辺については事前(設計段階で)に
メーカーから説明が
あっても良さそうなところです。
しかし、ハウスメーカーは
業務が縦割りとなっているため
設計の段階で、
下がり壁が低くなることを知った社員または
外注の人がいたとしても、
その人が直接お客様と接することができない
立場の場合、あえてもめそうなことを
持ち出さずにそのままにしてしまう
ことも考えられます。
畳下荒床の合板の亀裂ですが、
過去に同じような相談を受けていますが、
お客様が
見た目で不良品の合板と思われるのは
仕方がないことかもしれません。
過去に
「うちの外壁に合板の亀裂がある不良品を
使用している」という相談があり
現地で相談者の方にお目にかかったときに
「うちは、このメーカーには車で言えばスーパーカーを
注文しているつもりでいるのに、
このような不良品を使うとは・・・」
今回伺ったお宅も
この住宅を建てたハウスメーカーの営業の方から
「うちの社は○○ハウス(高級?といわれているハウスメーカー)
と同等の仕様です」といわれたし、
上場している会社なので信用もしていた。
うちは100万/坪を超えているのに
何でこんな不良品を使うのかと不満でした。
他のメーカーならばもっと良いものを使って
いるはず。
と言っていましたが・・・・
ハウスメーカーは
売るためには売れる商品の開発費や
新たな製品がでることにより
全国にある展示場も順次建て替えなければなりませんし、
展示場を維持させなければならないし、
TVコマーシャルや雑誌、新聞、チラシなど
にも多くのお金がかかります。
住宅の場合、単純に
高額(工事金額)=高い製品(できた住宅)
とはならないところが難しいところです。
住宅のクレームの原因は
お客様が思う原因とは違う
原因があるかもしれません。
今回の相談者に限らず
住宅のクレームには
お客様が思っているクレームの
原因とは別の原因がある、
ということもあります。
今回のクレームの原因は
・丁寧さを欠いた施工と技量不足
・お客様の思い込み
・メーカーの説明不足
・お客様とメーカーのボタンの掛け違い
・メーカーの縦割りの弊害
などが考えられます。